ベトナム語は非常に難易度の高い言語です。それを知らずに興味本位で始めるとすぐに壁にぶち当たり挫折するでしょう。
なので大事なのはまずベトナム語の特徴を知り最適な勉強方法を知ることです。
今回はベトナム語を楽しくマスターするための勉強方法について詳しく解説していきます。
ベトナム語の特徴はなに?
まず勉強を始める前にベトナム語とはどういった言語で、どのような特徴があるのでしょうか?以下に、ベトナム語の特徴をまとめてみました。
1. ベトナム語はベトナムの最大多数民族キン(ベト)族の母語で、系統的にはシナ・チベット語族やタイ・カダイ語族ではなく、カンボジアのクメール語とともにオーストロアジア語族に属するとされている。
2. 中国語の影響を受け、声調言語の性格を帯び、6つの声調を持つようになったとされる。声調の発音と聞き取りはベトナム語の難所の一つ。
3. 日本語には「ア・イ・ウ・エ・オ」と5種類しかない母音が、ベトナム語には「アが3つ、イが1つ、ウが2つ、エが2つ、オが3つ」と合計11種類ある。この点もベトナム語の難しい点。
4. かつては漢字で表記していたが現在では使われず、代わりにアルファベットに「声調記号」や「母音記号」を加えた独自の表記法が用いられる。これは17世紀にカトリックの宣教師が考案し、フランスの植民地化以降普及した表記法で、「クオック・グー( Quốc ngữ / 国語)」と呼ばれる。
5. 文法は基本的には英語と同じで、<主語+動詞+目的語(もしくは補語)>の順。
6. ベトナム語では、名詞でも動詞でも単語の語形変化が一切ない。
7. かつては漢字を使っていたため、漢語起源の言葉が語彙全体の6割に及ぶ。また、旧宗主国の影響でフランス語などからの借用語が多い。漢語起源の言葉や外来語が多いのは日本語に通じるものがある。
8. 地域による差異(方言)がある。通常、南部(ダナン以南)・中部(古都フエよりゲアン省まで)・北部(タインホア省以北)と大きく3つに分けられ、使用人口は南:中:北=5:1:4程度とされる。地域により発音が微妙に異なるので、現地人同士は聞き取りできても、外国人の言語学習には混乱をきたす大きな要因の一つとなる。
9. 人称代名詞が多様で複雑だが、これが話者同士の関係性を規定するうえで極めて重要である。
ベトナム語を勉強する上で押さえておくべきこと
ここまででベトナム語の特徴については理解ができたでしょう。ここからは勉強する際に押さえておくべきポイントや効果的な方法について詳しく解説していきます。
習得したい方言を決める
多くの教材は北部と南部の方言があります。基本的には北部の方言が標準語とされていますが、最大話者人口は南部となっており比率は、南部:中部:北部=5:1:4程度とされています。
リスニングに関しては両方聞き取れる必要があります。しかし、スピーキングに関しては北部か南部どちらか1つにする必要があります。ベトナム人自身でも異なる方言は話すことはできません。3つの地域の方言を自由に操れると芸人になれるレベルです。
自分の使う場所や話す相手に合わせて方言を選ぶと良いでしょう。
先生を選ぶ
先生選びはとても大切です。一番いいのは先生は日本語が話せるベトナム人の先生でしょう。日本語で「〇〇はなんですか?」と質問して「〇〇はベトナム語でXXという意味です」と答えられるレベルの先生がいいでしょう。なぜならコミュニケーションを不自由なく取れることで、自分が話したい表現やニュアンスを正しくベトナム語に置き換えてくれるからです。
日本語がわかる前提ですが、発音のコツを日本語で伝えられる先生がいたら理想です。間違った発音は修正がすぐにできて上手になるでしょう。
発音をマスターするまで他のことに手をつけない
ベトナム語の習得難易度を上げているのは、発音です。ベトナム語は声調言語といい、日本語のような母音は5つではなく、母音の発音だけでも11種類あります。
この使い分けを正しくせずに日本語と同じような発音をすると、現地のベトナム人にはまったく伝わりません。そして声調の存在を認識していないとなぜ伝わらないかも理解ができなく、挫折しまう原因となってしまいます。
文法やリーディングの難易度はそこまで高くないので、後からやっても十分力は付いていきます。まずは正しく発音し伝わるようにしましょう。
練習相手にふさわしい人を見つけて、実践会話の練習をする
机で勉強するより日常生活で一緒に行動して実践会話をするのが習得が早い方法です。1対1で外に出て周りの物をみて「これはベトナム語で何ですか?」と質問してベトナム語を教えてもらい、実践するのがおすすめです。
また、店員やタクシーの運転手と話をするとき、もし言葉に詰まったり、発音が間違って相手に伝わらない場合はベトナム人がフィードバックとサポートをしてもらえるメリットがあります。
参考書や動画教材で勉強している内容が常に日常で使われるかはわかりません。それよりは普段の生活で「ここならどう言おう…」という疑問をもとに勉強し覚えて行く方がすぐに身につきます。また勉強感が薄れ楽しくできるので、そういった友達や先生を作るようにしましょう。
ベトナム語の勉強方法
ではここからは言語スキルの
- リスニング
- スピーキング
- リーディング
- ライティング
の具体的な勉強方法について詳しく解説していきます。
リスニング
ベトナム語は発音が難しいと同時に、リスニングもとても難しい言語です。日本人がしたことのない発音をして、さらにその微細な違いを聞きとらなければなりません。
しかし何も分からない状態でただやみくもにリスニングをしても、何の意味もありません。
リスニング強化の前に、まずはボキャブラリーを増やすことを先行しましょう。またボキャブラリーを増やすときに、発音、声調も正しい音声と共に丸ごと覚えることをおすすめします。
リスニングを強化するボキャブラリーを増やすためにも、独学+ベトナム人の先生とのコンビネーションが大切になってくるでしょう。
ある程度ボキャブラリーが増えてきたら、ベトナム語のラジオを聞いてみたり、Youtubeチャンネルを見てみたり、リスニングを鍛えるツールはいくらでも転がっています。
スピーキング
日本人の語学の習得にありがちなのが、インプットに偏ってしまう事です。インプットはとても大切ですが、アウトプットすることはもっと大切です。
スピーキングにおいては、リスニング以上に1人で学ぶことは不可能です。
ベトナム人の知り合いでも、ベトナム語の先生でも、少しでも会話をして慣れることが重要です。
スピーキング力が上がればリスニング力も自動的に上がります。
「文法が間違っているのでは」、「発音を聞き取ってもらえないのでは」と恥ずかしい、辛い思いをすることを避けていては、語学は上達しません。むしろ恥ずかしい、気まずい思いをしてこそ学習意欲が高まるのです。ぜひ勇気を出してどんどんベトナム人と会話してみましょう。
リーディング
リーディングは語学を上達させる近道となってくれます。ボキャブラリー、ライティングなど様々な要素がそこには含まれています。
しかしベトナム人の大人が読むようなベトナム語の本を、いきなり読み始めるのはとてもハードルが高く、途中でめげてしまう可能性も大です。
ベトナム人の先生に子供でも読めるような本を紹介してもらう、ベトナム語のテキストにある小話などを読解できるようになるなど、小さな目標から始めましょう。
ベトナム人の人に人気のある歌の歌詞などでもよいかもしれません。
ライティング
ある程度読めたり、話せたりするようになっても、いざ書いてみようとすると声調記号や発音記号がどこにどれがついていたか思い出せないことがあります。
実はベトナム語の中でライティングも、難易度が高いスキルの1つなのです。
おすすめは、ベトナム人とメールやSNSでやりとりをすることです。短い文章ですが、ベトナム人の言い回しを知ることもできますし、例えキーボードやスマホ上でもタイプすることで、発音や声調記号の場所を改めて見直すきっかけになります。
何度も書いているうちに発音記号も声調記号もセットになって、自然と覚えてきます。ぜひ今すぐパソコンやスマホにベトナム語のキーボードを導入しましょう!
スピーキングができるようになれば、自分のスピーキングの声調や発音からある程度予測することもできるようになるでしょう。
ベトナム語学習に役立つ参考書やアプリ
ここでは学習に役立つ参考書やアプリを紹介していきます。
「ゼロから始めるベトナム語―文法中心」
詳細ページ
ベトナム語の基礎的な発音やフレーズ、文法が書かれています。少しベトナム語を勉強した人におすすめする本です。
CD付 ベトナム語が面白いほど身につく本 (語学・入門の入門シリーズ)
詳細ページ
買い物やレストランなど場面ごとに分けられていて現地でよく使われている使われているフレーズが紹介されていてます。すぐに使えるような構成が特徴です。
ベトナムの文化や習慣のコラムがついていて、勉強だけではなくベトナムに関する知識も身に付きます。
nemo ベトナム語
iosとandroidでインストールできます。必要な単語と熟語が収録されているだけなく、ベトナム人ネイティブの発音が収録されています。またこのアプリ内には自分の発音を録音ができます。
ネイティブの発音と聞き比べることができます。スキマ時間にいつでもどこでも練習することができるのでお勧めなアプリです。
ベトナム語を話せるメリット
ベトナム語は習得するのが本当に難しい言語です。一生懸命勉強してベトナム語が話せるようになれば、どのようなメリットがあるのでしょうか?
ベトナム語を勉強するモチベーションをさらに高めるためにも、ベトナム語を話せるメリットを考えてみましょう。
就職に有利
ベトナム語を話せる日本人はまだまだ少ないのが現状です。ベトナム語が必要という企業にとって、ベトナム語が話せる日本人は非常に貴重な人材です。
これまでの自分のキャリアにベトナム語が加われば、就職に有利となることは間違いないでしょう。とくにベトナム国内での需要はかなり高いものとなっています。
すぐに相手に覚えてもらえる
前述のように、日本人でベトナム語が話せる人は希少です。日本人がベトナム語を話すなんで夢にも思わない現地の人も多いほどです。
逆に日本人としてベトナム語でコミュニケーションを取ろうとすると、ベトナム人はとても喜んで歓迎してくれます。ビジネスライクなおつきあいだけでなく、現地の言葉を使うことによって心が通い合い、より距離感が近づけることができるでしょう。
ベトナム人にとって、「ベトナム語を話せる頼りになる日本人」として強く印象付けられるはずです。
商談に有利
通訳を介して行う商談よりも直接話ができる相手だと、信頼感もぐっと高まります。
またベトナム人にとってもベトナム語が話せる人がいるというだけで、いい意味で「きちんと仕事をしなければならない」という感覚が高まるでしょう。商談中にベトナム人同士で相手に分からないだろうとベトナム語で相談することもできません。
お互いに取って気が引き締まり、よい緊張感が生まれることとなるでしょう。
ベトナム人との距離が縮まる
ベトナム人と仕事をしたり関わったりするにもかかわらず日本語や英語で押し通す人よりも、たとえつたなくてもベトナム語で一生懸命伝えようとしている人の方が、相手に対して真摯に向き合っているといえるのではないでしょうか。
まだまだ十分なベトナム語が話せないとしても、ベトナム語を学ぼうとしているその姿勢そのものが、ベトナム人にとって好意的となるはずです。
若いベトナム人で英語を話せる人は増えてきていますが、全体としては少数です。現地のローカルのベトナム人はベトナム語でしかコミュニケーションが取れない人がほとんどです。
ベトナム語が少しできるというだけで、話しかけられるようになったり、気にしてもらえるようになったりします。ベトナム語によって、ベトナム人との距離を大幅に縮めることができるでしょう。
まとめ
ベトナム語は難しい言語ですが、それぞれの言語スキルを取得する最適な方法を理解し実践をすることで、ハードルは低くなります。
また取得することで今後訪れる需要に応えられるメリットを最大限受けることができます。ぜひこの機会により一層勉強に励んでください。
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