ベトナムは気候の関係で常に暑い日が続く国です。だからこそ道行く人同士で日々の暑さについて挨拶代わりに会話することができます。ベトナムの暑さの理由と共に、「暑い」というベトナム語を使った挨拶例文をご紹介します。
“暑い”という会話が飛び交う国ベトナム
“暑い”という意味のベトナム語「ノーン(Nòng)」。この単語はベトナムを訪れるとよく聞くことになります。ベトナムは南北に約2000キロの長さの国土を持つ大きな国です。
地域ごとに気候の特徴に細かい違いがありますが、ベトナムでは平均的に高温多湿な日が続きます。その為ベトナム人は頻繁に「暑い(Nòng)」と口にします。気候の関係で思わず言葉として出てきてしまう単語なので、ベトナム語の中でも「ノーン(Nòng)=”暑い”」の使用頻度は高くなっています。
晴天の日よりも曇っている日の方が過ごしやすいことから、ベトナム人にとっての”いい天気”は曇り空とされています。ベトナムの気候は日本とは大きく異なります。ベトナムの気候について理解しておくことで、よりベトナム語での会話をスムーズに行い、ベトナムでの生活を楽しむことができるでしょう。
南北に長いベトナムの気候
ベトナムの気候は基本的には高温多湿で、気温が高く雨が良く振ります。毎日30度近い気温の日が多く、毎日街中で「暑い(Nòng)」とベトナム語での会話が飛び交います。暑すぎて上半身裸で過ごしているベトナム人男性もいます。
また日本で最も湿度が高い梅雨時期でさえ、ベトナムと比較すると「湿度が少ない」と感じます。しかしベトナムの国土は南北に細長く、ベトナムの南部と北部、中部では気候が全く異なります。北方面に行くに従って、湿度が低くなる時期が多くなります。ベトナムを訪ねる際には事前に地方ごとの天気を理解しておきましょう。
1-1-1.ベトナム北部の気候
ベトナムの首都であるハノイを中心としたベトナム北部は、亜熱帯性気候で日本と同じように四季があります。1~2月が最も寒く7~8月が最も暑く、年間の気温差が激しい地域です。
冬の最低気温が10度を下回ることは滅多にありませんが、暑い時期の平均気温が高いことに合わせて建物の設備には全て暑さ対策が施されています。寒さに対する対策が薄い為、暖房設備も整っていません。
その結果ベトナムと日本の気温が同じ場合でも、身体が寒さを強く実感する環境になってしまっています。寒すぎて学校が休みになってしまうことがあるほどです。寒い時期にベトナム北部へ訪れる場合は、防寒具を念入りに準備しておきましょう。
また北部は気温だけでなく湿度の変化も激しく、季節変動が原因で体調を崩してしまう人もいます。北部の湿度が高い時期は3~11月まで続きます。一方ベトナム北部は中部や南部と比較すると、降雨量が少ない地域です。時期ごとの平均降雨量は最も少ない1月が平均18mm、最も多い8月が326mmです。雨量が少ない1月は湿度も低く過ごしやすいので、ベトナム北部を訪れるのにおすすめな時期です。
1-1-2.ベトナム南部の気候
ホーチミンを中心としたベトナム南部は熱帯モンスーン気候で四季はなく、乾季と雨季の2シーズンに分かれています。乾季が11~4月、雨季が5~10月となっています。特に雨季に入る前の4~5月が最も気温が高く、降水量が徐々に増えていきます。
ベトナム南部の平均気温は27度、最高気温は常に30度を超えています。気温が最も低い時期である12~1月には20度を下回ることもありますが、温度変化が少ない為平均気温に慣れてしまえば、身体に負担が少なく楽に生活できる気候です。また南部は1年を通してほとんど湿度が高く、2月後半から年末までは蒸し暑く特に4~10月は100%の割合で蒸す日が続きます。最も湿度が低い1~2月でさえ蒸す日の割合は80%です。
1-1-3.ベトナム中部の気候
ダナンやフエを中心としたベトナム中部は、ノンヌォックビーチやミーケービーチのような美しいビーチが有名な地域です。しかし中部はベトナムの中でも降水量が多い地域で、雨季になると毎年洪水災害が起こっています。北部でも時々洪水が発生してしまうことがありますが、中部の場合は日常茶飯事です。降雨量が最も少ない3月で平均58mm、最も多い10月では平均744mmも雨が降ります。
日本の2018年の降雨量の平均値が最も多かったのは9月で365mmです。2倍以上の差があることを見るだけでも、ベトナム中部の雨季の恐ろしさが理解できるのではないでしょうか。ベトナム中部を訪れる際には雨季を避けることをおすすめします。8~1月に降雨量が多く、特に8~9月は猛暑となります。中部の5~9月は蒸し暑く不快指数が高い状態が続きます。さらに8~9月は台風シーズンでもあるので、ベトナム中部を8~9月に訪れるのはおすすめできません。
ベトナムの気候対策でおすすめな持ち物
日本国内で旅行する時には必要ないだろうと思うような持ち物でも、ベトナムの場合は持って行くべき持ち物であることもあります。ベトナムの気候について理解して、ベトナムへ持ち込むべき持ち物を準備しておきましょう。
1-2-1.防寒具、カイロ
ベトナムは1年を通して気温が高い国なので、暑さへの国の対策は万全です。しかし寒さに関してはほとんど何も対策されていないような状態なので、室内でも寒さを強く感じます。貼るカイロであれば、薄くて小さいので荷物にもならずおすすめです。
また雨季には大量の雨で肌寒く感じることもあります。30度近い日でも長袖の羽織物を1枚持っておくと、気温差をカバーすることができます。暑さ対策として冷房を強めに聞かせているお店も多いので、暑い時期でも役に立つことがあります。
ベトナムでは寒さを感じやすいですが、雪が積もることはほとんどありません。2018年12月に北部のサパで雪が積もったのが、51年ぶりのベトナムでの積雪です。防寒具は雪対策というよりは、体温を暖める目的で選びましょう。南部の人々がわざわざ北部までみぞれ雪を見に訪れるほど、ベトナムは雪とは縁遠い国のようです。
1-2-2.除湿器
ベトナムでは基本的に暑く湿度が高い日が多い為か、ベトナム人の多くが晴天よりも曇り空を好んでいます。比較的湿度が低い北部でさえ、スーツや革製品を放っておくとすぐにカビが生えてしまいます。長期滞在を予定している場合は除湿器を用意しておくのがおすすめです。
1-2-3.日焼け止め
ベトナムは日差しが強い為、日焼け止めは必須アイテムです。ベトナム人の男性にこんがりとした日焼けをした人が多いのは、ベトナムが赤道に近い場所に位置しているからです。赤道近くの緯度の低い地域は紫外線が強く、一方ベトナム人の女性は肌が真っ白な人が多くいます。これはベトナムでは肌の白さが美しさの条件とされているからで、ベトナム人の女性は日中バイクで移動する時でも長袖を着用したり、腰に布を巻いて全身を覆ったりしています。常に気温が高いので、汗で流れてしまわないウォータープルーフタイプがおすすめです。
1-2-4.傘、日傘、帽子
ベトナムを訪れる時期によっても降雨量は異なりますが、雨季にベトナムを訪れる場合は傘を準備しておくことをおすすめします。また日焼け止めと同じ理由で、日傘や帽子も持っておくと良いでしょう。これらを使用するだけでも紫外線を浴びる量が大きく変わります。雨と紫外線を両方防ぐことができる晴雨兼用の日傘を用意しても良いでしょう。
暑いからこそ使えるベトナム語挨拶
毎日暑い日が続くベトナムでは、「今日も暑いですね」と声をかけるだけでも初対面の人とコミュニケーションをとることができます。「Nòng(ノーン)=暑い」という単語を覚えておくだけでも、ベトナム人と会話をするきっかけを作ることができるでしょう。「Nòng(ノーン)」を用いたベトナム語例文や、相手に「Nòng(ノーン)」と言われた時の返答例文をいくつかご紹介します。
■「Nòng(ノーン)」を用いた例文
今日も暑いわね
Hôm nay nó cũng rất nóng. (ホムナイノ コンセックナン)
とても暑い日です
và là một ngày rất nóng nực. (バラモナイ ゼッナンヌ)
暑くなってきましたね
không khí ở đây đang ấm lên (クォンヘイア レイランアンヘ)
■「Nòng(ノーン)」に対する返答例文
そうですね(同意)
Đúng vậy(ドゥン ファイ)
うん(同意)
Vâng(ファン)
そうは思いません(否定)
Tôi không nghĩ vậy(トイ クォンニーファイ)
暑くないです(否定)
Không nóng(クォン ノーン)
ベトナムで「暑いですね」と話しかけられて否定する機会はなかなかありませんが、時強力な冷房をかけているお店もあります。店員さんに「暑いですか?」と尋ねられた時に否定の感情を伝えることができると、冷房から自分の身を守ることができるかもしれません。
まとめ
ベトナムの気候について理解することで、ベトナムという国に対するイメージが変わったのではないでしょうか。暑い時期にベトナム語で会話をする場合、「暑い(Nòng)」という単語を何回も耳にすることになるはずです。
高温多湿な国ゆえに挨拶代わりに「暑いですね」と会話しているベトナム人もいるので、ぜひ覚えておきたいベトナム語です。ベトナムを訪ねる時にはしっかりと気候対策を行ってから旅立つようにしましょう。
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