世界中の国の歴史や背景、特産品などによって、持ち込みや持ち出しが禁止なものには特徴があり、その国らしさを表していることがあります。
ベトナムの場合はどのようなものが持ち込み禁止、あるいは持ち出しが禁止となっているのでしょうか。日本への持ち込み禁止のものも含めて、ベトナムからの物の出し入れに関する情報をまとめました。
これから旅行や出張でベトナムへ行く予定のある人は、ぜひ目を通して予習しておきましょう。
日本からベトナムへ持ち込み禁止の物とは?
まずは日本からベトナムへ持ち込めないもの、持ち込みはできるけれども制限があるものからご紹介していきます。旅行や出張でベトナムに着いたにも関わらず、空港でトラブルになって出鼻をくじかれないよう、しっかりと把握しておきましょう。
持ち込み禁止となっている物
日本からベトナムへ持ち込み禁止のものは以下となります。
花火
ベトナムでは国や自治体で行うイベントなど以外での花火は法律で禁止されているため、持ち込むことができません。ベトナムにはビーチリゾートもたくさんあるので、旅行に行ってビーチで花火をしたいと考える人はいるかもしれませんが、残念ながらそれはできないのです。
またベトナムへ持ち込めないだけでなく、飛行機内に手荷物として持ち込むこともできないことを覚えておいてください。
骨董品
ベトナムでは骨董品の持ち込みも持ち出しも禁止されています。「骨董品」の定義が細かく定められているわけではないので曖昧なところもありますが、日本からお土産などで骨董品を持っていこうとしているのであれば、没収などのリスクも考えてやめておいた方が無難です。
猥褻な内容の雑誌やDVDなど
ベトナムへは猥褻な内容の雑誌やDVDなどの持ち込みが禁止されています。ベトナムの「猥褻な内容」の定義は日本の基準とは異なるため注意が必要です、日本で一般的に販売されているような週刊誌やグラビア系の写真集などでも対象となる可能性があり、没収されるだけでなく1,000〜2,000ドルの罰金を課されることもあります。
ベトナムにはそのような雑誌や DVDなどは極力持ち込まないようにしましょう。
麻薬、銃火器
こちらは言うまでもなく持ち込み禁止となっています。
持ち込み制限がある物
以下は持ち込むこと自体は不可ではありませんが、量などに制限があるものです。事前にきちんと確認しておきましょう。
お酒
アルコールで度数が22度以上のものは 1.5リットル以上、22度未満のものは2リットル以上のものを持ち込む場合は、税関で申告が必要です。参考までにワイン(10〜15度ほど)フルボトル1本は 750ml、日本酒(15度前後)一升瓶は 1.8リットルとなっています。
タバコ
タバコ400本以上を持ち込む場合は税関で申告が必要です。
お金
ベトナムへの入国において、外貨の持ち込みの制限は実はありません。しかし、下記金額を超える額相当の外貨あるいはベトナムドンを持ち込む場合は入国時に申告しておかなければなりません。申告をしておかないと、出国時に同じ額以上の外貨あるいはベトナムドンを持ち出そうとした場合には所持金を没収されてしまいます。
申告が必要な金額
- 5,000米ドル(日本円で約55万円ほど)相当額の外貨
- 15,000,000ベトナムドン(日本円で約75,000円ほど)
ベトナムから日本へ持ち込み禁止の物とは?
では次にベトナムから日本へ持ち込み禁止となっている物をみていきましょう。ベトナムから持ち出せない物と、日本が持ち込みを禁止している物の2種類となります。
ベトナムが持ち出しを禁止している物
ベトナムが持ち出しを禁止いている物は下記の内容となっています。
骨董品
上記でも説明しましたが、骨董品はベトナムへの持ち込みもベトナムからの持ち出しも禁止されています。ベトナムのお土産品として骨董屋さんで購入したものを持ち帰りたくなるかもしれませんが、諦めた方がよさそうです。
ブランドのコピー品
ベトナムの旧市街やナイトマーケット、露天などではブランドのコピー商品がたくさん売られていますが、ブランドのコピー品はベトナムから持ち出すこと、日本へ持ち込むことの両方ができません。
ブランドのコピー品は商標権の侵害です。安いからと言って安易に購入することはやめましょう。
日本が持ち込みを禁止している物
ベトナムから日本へ持ち込み禁止の物の中でとくに日本が持ち込みを禁止している物は、以下となっています。
フルーツ
ベトナムは東南アジアらしくフルーツの種類が豊富で、日本では馴染みのない珍しいフルーツも安くで売られています。しかもどれも甘くて美味しいのが特徴です。日本にぜひお土産で持って帰りたいところですが、日本はベトナムからのほとんどのフルーツの持ち込みを禁止しています。中には一部検査証明書があれば持ち込みができるものもありますが、個人での持ち込みは極力避けた方が良いでしょう。
肉類、肉の加工品、乳製品
肉類や肉の加工品、乳製品においてもベトナムの検査証明書があるものでなければ日本へ持ち込むことができません。生の肉や牛乳だけでなく、ハムやチーズなどの加工品も持ち込めないので注意しましょう。
蛇やサソリが入ったお酒
観光地や旧市街、ナイトマーケット、土産物屋さんではこのような珍しいお酒が売られていることもあります。日本ではなかなか手に入らない珍しいものをお土産にと考えることもあるかもしれませんが、残念ながら日本へは持ち込めません。どうしても飲んでみたい場合は、旅行中に現地で飲みましょう。
証明書がないと日本に持ち込めない物
以下は証明書がないと日本に持ち込めない物となります。日本へ持ち帰ることが前提なのであれば、購入する店舗に相談をして証明書を準備してもらうようにしましょう。
宝石や原石
ダイヤモンドやベトナムに産地のあるルビーなどの宝石の原石は、個人での輸出入が厳しく規制されています。また宝石を使った高額な宝飾品は、保証書が必要な場合があります。ベトナムからの持ち出し、日本への持ち込みの可能性がある場合は事前に日本の税関で確認しておきましょう。
動物の剥製
ワシントン条約のルールに則り、日本では絶滅危惧種の動物やそれらの動物の加工品を日本へ持ち込むことができません。ワニは生きているワニ以外にも加工品を持ち込むことができません。ベトナム南部のメコンデルタではワニの養殖を行っているため、ワニの剥製などがお土産として売られていることがあります。しかしそれらを日本へ持ち込むことができないことを覚えておきましょう。
しかるべき機関が発行した輸出許可書もしくは輸入許可書があれば持ち込みが可能な場合もあるため、詳しくは経済産業省で確認することをおすすめします。
ワニ、蛇革の製品
動物の剥製と同様に、動物の皮革製品はワシントン条約のルールによって持ち込めないものがあります。とくにワニや蛇革の製品は注意が必要です。お土産などで日本へ持ち込みたい場合は、輸出許可書もしくは輸入許可書の手配を帰国する前に準備するようにしましょう。
機内に持ち込めない物
ベトナムからの持ち出しや日本への持ち込みがとくに禁止されていなくても、飛行機の機内に持ち込めないものがあります。特徴は匂いの強さです。
ヌクマム
ヌクマム(Nước mắm)は魚醤の一種で、ベトナムの醤油のような役割をしています。ベトナム料理の味の決め手にもなる調味料であり日本ではなかなか購入できないため、お土産として持って帰りたくなることもあるでしょう。
ヌクマムをベトナムから持ち出したり、日本へ持ち込むことはとくに禁止されているわけではありません。しかし機内への持ち込みはできないと言われています。もちろん液体としての持ち込み制限があるのですが、それ以上に万が一こぼれたりした時に機内に匂いが充満してしまうことが問題のようです。
ヌクマムはベトナム人にとっては故郷の香りですが、一部の人にとっては刺激臭となりえます。ヌクマムをお土産として持ち帰りたい場合は、しっかりと梱包をして預け荷物として持ち出しましょう。
ドリアン
ドリアンは南国のフルーツで匂いが強いことで有名です。ベトナム人もよく食べるフルーツですが、その匂いの強さからホテルや公共の建物などあらゆる場所で持ち込みが禁止されています。もちろん飛行機内への持ち込みはできません。
また預ける荷物に入れたとしても、ベトナムの検査証明書がないと日本へ持ち込むことができません。
空港でのトラブルで使えそうなベトナム語フレーズ
空港では英語が使えることが多いのですが、万が一のために持ち出しや持ち込みの荷物関係で使えそうなベトナム語のフレーズをいくつかご紹介します。
◾️Tôi muốn nộp tại hải quan(トイ ムオン ノップ タイ ハイ クアン)/ 税関で申告したいのですが
◾️Đây có phải là một nhiệm vụ hải quan?(ダイ コー ファイ ラー モッ ニエム ヴ ハイ クアン?)/ これは関税がかかりますか?
◾️Vui lòng cấp giấy chứng nhận.(ヴイ ロン カップ ザイ チュン ニャン)/ 証明書の発行をお願いします。
◾️Điều này có thể được thực hiện trên một máy bay?(ディエウ ナイ コーテー デュオック トゥック ヒエン チェン モッ マイ バイ?)/ これは機内へ持ち込めますか?
◾️Tôi có chứng nhận thanh tra.(トイ コー チュン ニャン タイン チャー)/ 検査証明書を持っています。
ベトナムへの引っ越しの不思議
ベトナムへ旅行や出張などの短期滞在ではなく、赴任をして長期滞在する場合もあるでしょう。その際には日本からベトナムへ引っ越しということで、家具や家電などあらゆる荷物を運ぶ必要があります。
海外への引っ越しは専門の業者に頼めば安心ですが、ベトナムへの引っ越しは少し特殊なルールがあるので、念のため覚えておきましょう。
引っ越しで持っていく物にも関税がかかる?
ベトナムへは中古の家具や電化製品を輸入することができませんが、引越しの場合は持ち込むことができます。しかしこれらに関税がかかります。また趣味用品などにも関税がかかることがあります。
個人の持ち物に関税がかかってしまうのは少し不思議な気がします。でもベトナムでは賃貸する住居に基本的な家具や電化製品が付いていることがほとんどです。できるだけ荷物は少なくしていくことが経費を削減するコツとなるでしょう。
関税が高いので持って行かない方が良い物とは?
ベトナムで関税が高いのは車両や、酒類です。車両の中には自動車だけでなく、バイクや電動アシスト自転車も含まれます。ベトナムで自分の自動車やバイクを持ち込んで運転する人はあまりいないかもしれませんが、小さい子供がいる家庭では電動アシスト自転車を持っていきたいと思う人は多いでしょう。
車両は関税が高い上に、引越し業者によってはそもそも取り扱わないところもあるため、日本から持っていくことは諦めて現地で取得することをおすすめします。
まとめ
ベトナムへ旅行や出張で行く際に、ベトナムへ持ち込み禁止のもの、またベトナムから日本へ帰国する際にベトナムから持ち出せない物、日本へ持ち込めない物をまとめました。
各国のルールによって内容が少しずつ異なるため、ベトナムへ行く際にはベトナムのルールを予習していくようにしましょう。ベトナムの特産品やお土産品として堂々と売っているものが、日本では持ち込み禁止となっていることもあります。
ベトナムへ引越して長期滞在する場合は、海外専門の引越し業者に頼めば持っていけるものや持っていけないもの、関税が高いものなど諸々の詳しい情報を持っているので、細かく相談することをおすすめします。
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