最近はベトナム料理やベトナム雑貨なんてものも身近で良く見かけますが、ベトナム語が話せるという人はそう多くは無いでしょう。
しかし、ベトナムに旅行や仕事で行く場合は話が別。ベトナム人は英語を話せない人が多いので、現地の言葉が話せないと意外と困る事が多いのです。
そこで今回は、そんなベトナム語を学ぶために必要な知識や、知っていると現地で役立つ例文などをベトナム語の入門編としてご紹介していきたいと思います。
ベトナム語の基礎知識
ベトナム語は文字の見た目的にはアルファベットとそっくりなのですが、実は発音などは英語と全く違います。それを理解していないとベトナム語に入門もできないので、まずはそこから勉強していきましょう。
ベトナム語の母音
日本語の「あいうえお」にベトナム語の母音を当てはめると以下のようになります。
・あ…a、ă
・い…i、y
・う…u、ư
・え…e、ê
・お…o、ô、ơ、â
基本的には日本語で言うところのローマ字の発音と似ているものの、ベトナム語の場合はそれぞれの母音の上に付いている記号によって発音する音の長さが変わります。
とは言え、文字に付いている記号の意味さえ分かればそこまで難しい事ではありませんし、数も多くは無いのでここはサクッと丸暗記してしまいましょう。
母音の発音の仕方
母音の発音について文字で説明するのは難しいのですが、ここでは発音する時のコツをご紹介してみたいと思います。
・a…日本語の「あ」とほぼ同じ。
・ă…「あ」の半分くらいの長さ(短母音)で発音する。
・i…日本語の「い」をはっきり発音するイメージ。
・y…発音は「i」と同じだが「y」の前に母音が来る場合は「y」の前の母音を短く発音する。
・u…日本語の「う」をはっきり発音するイメージ。
・ư…「い」の唇の形で「う」を発音する。
・e…驚いた時に言う「えーっ」のような感じ。
・ê…日本語で「えー」と言う時のように発音する。
・o…日本語の「お」より大きく口を開いて発音する。
・ô…日本語の「う」の唇の形で「お」と発音する。
・ơ…口をやや横に開いた状態で「お」と発音する。
・â…「ơ」の短母音。何か見つけた時の「おっ」のようなイメージで発音するのがコツ。
これらの説明はあくまでイメージですので、実際にベトナム語の発音を覚える時は知り合いのベトナム人や動画などを参考にするのが良いでしょう。
ベトナム語の「声調」ってなに?
端的に言えば、声調とはベトナム語を発音する時の声の高低の事で、それを文字として表す時には以下の6つの記号が付きます。
・`(thanh huyền/タィンフイェン)…前音より低くする。
・´(thanh sắc/タィンサッ)…前音より急激に高くする。
・ ̉(thanh hỏi/タィンホーイ)…日本語で「ウィ」と言う時のように一旦下げて上げる。
・ ˜(thanh ngã/タィンガー)…タィンサッを少し低くした感じ。ベトナム人でも正しく発音できない方もいるため、タィンサッと同じでOK。
・.(thanh nặng/タィンナン)…日本語の「お」と同じ位の高さ。
・記号なし(thanh ngang/タィンガン)…日本語の「アイウエオ」のように普通に発音すればOK。
ベトナム語ではその声の高さ自体が文法として含まれるため、そういう概念の無い日本人には習得が難しい部分です。
しかし、ベトナム語を本格的に学ぶためには外せないポイントなので、簡単な単語を覚える時などにまとめて覚えてしまう事をオススメします。
ベトナム語の文法
ベトナム語は発音が難しくても文法はとても簡単に覚える事ができます。前述した発音さえ覚えてしまえばこちらの物ですので、ここでついでに覚えておいてしまいましょう。
ベトナム語の語順は英語と同じ
日本語の文法は「主語(誰が)→目的語(何のために)→述語(どうする)」という順番で話しますが、これは世界的に見ても珍しい形です。
ベトナム語や英語を含め、ほとんどの言語では「主語(誰が)→述語(どうする)→目的語(何のために)」という順番で文章が構成されます。
英語と同じと覚えておけば迷う事は無いので、この辺りはあまり難しく考えなくても大丈夫です。
単数・複数や自制の違いは無い
ベトナム語の文法が英語よりも簡単な理由として、「-s」「-es」「-ves」といったような複数形の概念がありません。
また、「be→was・were→been」のような時制による単語の変化も無いため、日本語と同じくひとつの単語を覚えてしまえば、後はどんな文章でもそのままの形で使用できます。
もちろん単語自体は全然違いますが、ベトナム語は日本語の倒置法と同じと覚えておくと覚えやすいでしょう。
明日から使える!ベトナム語の基礎例文
この項目では、ベトナムに旅行に行ったり短期間生活する上で、最低限覚えておきたい単語やフレーズについてご紹介していきます。
とりあえず人称代名詞だけは覚えておこう
ベトナムでは会話をする相手の年齢や性別によって使用する人称代名詞(あなた・お前など)を細かく変えるという特徴があります。
・chị(チィ)…相手の女性が年上の場合。
・anh(アイン)…相手の男性が年上の場合。
・em(エム)…年下なら性別問わず。
ベトナムは年上の方への礼儀を重んじるお国柄ですので、ベトナムの方と会話をする際は人称代名詞を間違えないように注意しておきましょう。
ベトナム語日常会話入門・受け答え編
・dạ(ヤァッ)…はい(肯定)
・không(ホン)…いいえ(否定)
ベトナム語の「khong」は日本語のような「いいえ」という意味だけでなく、文章を否定的にするニュアンスとしても使われる単語です。
どちらかと言えば、英語の「not」と「NO」が合わさっているというイメージで考えておく方が理解しやすいでしょう。
ベトナム語日常会話入門・あいさつ編
・xin chào(シンチャオ)…おはよう、こんにちは、こんばんは
・Chào em(チャオ エム)…目上の男性へのあいさつ
・Chào chi(チャオ エム)…女性へのあいさつ
・cảm ơn(カム オン)…ありがとう
・Xin lỗi(シンローイ)…ごめんなさい
・tạm biệt(タン ビエッ)…さようなら
・Hẹn gặp lại(ヘン ガップ ライ)…また会いましょう
ちなみに、ベトナムの英語力は日本と大体同じ位なので、「バイバイ」や「サンキュー」のような簡単な英語であれば地域に関わらずどこでも通じます。
ベトナムも日本と同じで方言がキツい地域もあるため、必要であれば英語なども交えながら会話をしていくのも良いでしょう。
ベトナム語日常会話入門・旅行編
・Ô dạy có phòng trong không?(オーダイ コー フォン チョン ホン?)…空き部屋はありますか?
・Cái này bao nhiêu(カイナイ バ ニュー?)…これ(値段は)いくら?
・Giảm giá được không?(ヤム ヤー ドゥッ ホン?)…もっと安くなりませんか?
・Xin lỗi,Cho tôi hỏi?(シンローイ、チョートイ ホイ)…すみません質問していいですか?
・○○ ở đâu(○○ オゥ ダウ?)…○○はどこですか?
・Tôi muốn đi ○○(トイ ムオン ディー ○○)…私は○○に行きたい
これらの例文を全て覚えられなくても、とりあえず単語だけ覚えておけばベトナムの方にも何となく伝わります。
文章を丸々覚えるとややこしい発音まで一緒に覚えなくてはいけない羽目になってしまうので、慣れないうちは必要な単語だけ丸暗記しておくのも良いでしょう。
まとめ
ここまで、ベトナム語の基礎知識や発音の仕方やコツ・日常会話に使える例文などについてまとめました。
言語体系が全く違う日本人としては若干難しい部分もありますが、母音の発音さえ何とか理解してしまえば、後は必要な単語だけ覚えていけば割と簡単にマスターする事ができます。
現地の言葉が分かれば、日本のベトナム系のお店やベトナム旅行をもっと深く楽しめるので、この機会にベトナム語を少し勉強してみてはいかがでしょうか。
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